お金がなければいい映画は撮れない

コラムの執筆をお願いされたのですが、その記事を転載しておきます。


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5月中旬からの3か月間。私は設楽町津具の山の中にいる。


それはなぜか。三河映画第二弾「Ben-Joe」の撮影ため、キャスト・スタッフと共に、合宿生活を送っているからなのです。


そもそも三河映画とは何かと言いますと、三河映画というのは、普通の劇場公開している商業映画のように、予算がありきでつくっているわけではないのです。キャストも、そしてスタッフも、全員手弁当で参加していて、「本当にいい映画をつくりたい!」という気持ちだけで参加しているメンバーしかいないのです。東京など見学から参加しているキャストやスタッフも多くいますが、地元のメンバー同様、全員手弁当と情熱だけで取り組んでいます。プロもアマチュアも関係ありません。


では、予算がないのにどうやって映画をつくるのか。ということなのですが、私たちが選んだ方法は、「人とつながっていく」ということなのです。例えば、人と多く関われば、小道具が足りなくても、「こういう小道具をもっている方、いないかな?」と聞いて貸して頂いたり。ロケ地でも「こういう場所で撮りたいんだけど、知っている人はいませんか」といったことを投げかけをすれば、紹介して頂いたりする。そうやって、人とつながっていけば、問題は解決していくのです。


最近、人間関係もすごく希薄なってきていると言われますが、映画をつくることによって人と関わる機会が増えるようになる。これがすごく楽しいことで、人と多く関われば、学ぶことも多く、私たちも成長することができる。逆に、人とと関わらなければ、人は成長できない。人は人と関わることでしか、成長できないと思うのです。


私たちの映画制作は、お金ではなくて、人とたくさん繋がり、ひとりひとりのメンバーが人として成長する。それによって、商業映画と同じようなクオリティの映画をつくっていけるはずだ。そういう姿勢なのです。


今、設楽町津具で映画を撮らせていただく中で、地元の方ともたくさん知り合いになり、満足いく映像が撮れています。津具の皆さんは、無茶苦茶あったかい。そのあたたかさによって、完成度は間違いなく上がっています。


お金がなければいい映画は撮れない。


きっとそう信じている人も多いことでしょう。でも、そんな人は、一度、私たちの合宿所(この一軒家も津具の方のご厚意で貸して頂いている)に足を運んでみてください。セットに来てみてください。


人間って、お金じゃなくても、夢とか情熱とか、そんなもので動く人もいるんだ。きっとそんな思いをもってもらえることと思います。


岩松あきら

“三河映画”は、地元(人・企業・行政)から多くの協力と支援を得て、第一弾作品『幸福な結末』を完成。そして現在、小学校教諭だった岩松監督の教え子に「実際に降りかかった事件」を原案とした“三河映画”第二弾作品『Ben-Joe』の撮影真っ只中。


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