●11月6日 出発6日前
8月上旬に『Ben-Joe』がタリン・ブラックナイト映画祭で上映される知らせが届いて、喜びとともに一番最初に思ったことは“何にもわからない!”ということ。
三河映画はしがない地方の自主映画制作団体なので、これほど大きい国際映画祭に行ったことのあるメンバーは誰もいないし、知り合いもいない。
でも、知らないながらに思いました、「国際映画祭は、ただ映画上映して各賞を決めるだけじゃなくて、世界中の映画バイヤーとか関係者が集まって、あれやこれやと夜な夜なパーティしたり、商談がなされるって聞いたことがある、これって『Ben-Joe』が世界で上映されるチャンスなんじゃないか」と。
商業映画が海外の映画祭で上映される場合は、映画会社がもろもろ取り仕切るんだろうけど、自分のところで作ってない映画のためにあれこれノウハウを教えてくれるとは思えないし、“国際映画祭での交渉の仕方”なんてネット検索しても出てこない。
知らせが届いた直後に、岩松監督とささやかな祝杯をあげたんですが、「何にもわからないけど、、、まあ片っ端からいろんなところに聞いてみるしかないね、、、でもどこに聞いたらいいんだろう、、、」となりました(あてがなさ過ぎて「こうなったら、国際映画祭常連の是枝監督にDMしてみようか」なんてまじめに話したりもしました)。
しかし。あきらめずにやってると、もじゃかったひもを時間をかけて少しずつほどくように、巻き取られてしまったセロテープの端っこを爪でやさしくめくるように“とっかかり”は出てくるもので、エストニアの日本大使館と連絡が取れたり、文化庁の補助金関連の某機関と話ができたりして、例えば「映画祭で上映を観てもらうためにチラシを作って配布したりホテルに置いてもらうといい」とか「日本では知名度が低い映画祭なので、自分達でプレスリリースした方がいい」とか「次回作の企画書を持っていった方がいい」とか、目からウロコなことをたくさん教えてもらいました。日本大使館は通訳ボランティアをアテンドしてくれましたし(こういうことはほとんど岩松監督がやったんですけどね)。
まあ思えば、そもそも映画作りだって「何にもわからない」ところから始めてここまで来たわけだし、「気持ちがあればやれないことはない」って、特に気張らずに、大声張り上げずに言えるところが三河映画なんだと思います。
というわけで、なんとかプレスリリースして、チラシや企画書も用意できそうですが、細かなもろもろの準備はただいま真っ最中。
例えば、、、“ザッツ付け焼刃”で先週今週で3回だけ英会話通ってます、表彰式はドレスコードがあるので正装用のシャツと蝶ネクタイやっと買いました、などなど。
また、明日。
脚本 清水雅人
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