●11月11日 出発1日前
いよいよ明日エストニア タリンに向けて出発です。まだまだ準備真っ最中ですが、準備の1つとして、映画『Ben-Joe』の制作についておさらいしておくことがありました。かれこれ撮影から6年ほど経ってますので、忘れてしまっていることも多く、、、。
というわけで、古いハードディスクをひっぱり出してきていろいろ漁ってみると、、、
『Ben-Joe』は、2012年3月から制作準備を始めています。2012年4月にシナリオ執筆に向けた箱書き(大まかなシーン構成をまとめたもの)を作ってます(なので、取材はそれより前にやってるんだと思いますが、細かい記録は残ってません)。
2012年9月にシナリオ初稿が完成、リライトを繰り返し第8稿完成が2015年6月です。その後リハーサルを経てパートパートでちょこちょこ修正をしたような気がしますが、、、どこで決定稿にしたのか記憶が定かではありません。
そして、2016年2月~2017年1月にかけて撮影が行われました。
実は私、、、前作『幸福な結末』は、撮影も制作スタッフとしてがっつり関わりましたが、『Ben-Joe』については、メインのロケ地になった愛知県津具地区のロケハンくらいまで関わって、その後仕事が忙しくなり、リハーサル~撮影はほとんど行ってません。
仮完成版もしばらく観てなくて、2021~22年の最終バージョン編集時にじっくり観て、監督といろいろディスカッションしました(撮影参加してないので、フラットな視点で意見が言えたと思ってます)。
忘れてましたが、資料の中に、2013年4月に書いたテーマとか登場人物9人のキャラクター/バックストーリーがありました(1人3,000~10,000字くらい書いてますね、まだ全部読み返せてないです、タリンに行ってから全部読みます)。
思い起こすに、第4稿を書いた時点で、ほぼテーマ、内容、構成が固まったんだと思います。シナリオって、監督と話しながら何回か改稿していくんですが、ちょこちょこ細かい修正だけの改稿と、グレードがグンと上がる、大きく広がる改稿があって、『Ben-Joe』については、第4稿がターニングポイントでした。
まだ公開前なので、詳しいストーリーやテーマは言えませんが、2013年当時にキャスト・スタッフに向けて書いた作品テーマ/意図の冒頭だけ引用しますと、、、
「ここでは、脚本の大枠のテーマ、意図を記します。これからの映画製作にあたって、脚本理解、意図を深めてもらうためです。
ただ、テーマを記すことは、記した事柄のみにテーマが収斂してしまう危険を孕んでいることをご承知おきください。
脚本は、テーマを語るためのもではなく、物語を語るためのものです。極端に言えば、脚本家が意図しなかったテーマが物語の中に潜んでいる可能性もありますし、脚本家が意図しなかったテーマを監督が入れる場合も多々ありますし、監督が意図しなかったテーマが、最終的に映画に潜むことはもっと可能性があります。
映画を見る人たちに向けてではなく、あくまでも、製作者サイドのみなさんへの説明であることを最初に言っておきます。」
なんか偉そうなこと言ってますが、、、『Ben-Joe』に関しては、シナリオ以外にもこういうテーマとか意図をたくさん書いた気がします。
そんな『Ben-Joe』がいよいよ上映されます。仮完成版の試写は何回かやってますが、最終版は関係者しか観てなく、タリン・ブラックナイト映画祭での上映が本当にワールドプレミア上映になります。
明日からは短めのレポートが中心になると思いますが、上映の反応も含めて、現地の様子を伝えていきます~!。
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