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役者から見える景色 -カメラマン後編-

“Ben-Joe”では

納得のいくカットが撮れるまで

テイクを重ね

ベストを決める!

そんな撮影をしていました


そんな中

私にはどうしても撮り直しをせず

“一発OK”にこだわりたい

そんなシーンがありました


リハーサルでは全力では演じず

「本番どうなるかわからない」と言い

本番でも「きっと一回しかできない」と言い


カメラマンの頭を

抱えさせたことと思います

すみません…


脚本と同じ状況で

早紀が初めて経験することを

私も初めて経験したくて

一回目にこだわりたかったんです


無心になり

感情と精神も追い込み

一回しかできない体力の限界に

挑戦してみたかった


気持ち

体力

環境…


全てが整うまで

カメラの前で

スタッフとキャストの全員がスタンバイ


監督と私のアイコンタクトで

撮影がスタート…

そして無事撮影は終了


「一回しかできない」


それはカメラマンには

「一回しか撮れない」ということ


そんな状況下でも信じることができる

絶対に最高のカメラワークで撮ってくれる

カメラマンとそんな信頼関係がなければ

この撮影には挑めなかったと思います


私がなぜカメラマンの沓澤を信じていたのか


それは

深夜 早朝問わず

みんなが休む中

寝る間を惜しんで

カメラテストを繰り返したり

リハーサル映像を繰り返し見たり…

そんな努力を重ねて

彼はいつも撮影本番に備えていたから


合宿での撮影中

私が目覚めると

スタッフルームの椅子で

パソコンの映像を目の前にして

倒れ込むように眠っている


布団で眠っている姿よりも

パソコンの前で眠っている…

そんな彼の姿を見かける朝の方が多かった


だから

私は彼を信じて

撮影に臨むことができたのです


“Ben-Joe”は

彼のこんな積み重ねの努力の積み重ねで

全てのシーンが出来上がっています


彼だけでなく

“Ben-Joe”のスタッフは

集中して演じられる環境を

とことんつくってくれました


“いい映画をつくる”ためと

高め合いがんばる背中を

いつも私に見せてくれました


そのおかげで私は

全力で撮影に

臨むことができたのです


彼らには言葉では表せない

“想い”“感謝”があります


「ありがとう」


「Ben-Joe」早紀役 石川野乃花



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