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限界

人間は追い詰められると

体調不良に陥る


頭痛 悪寒 発熱 下痢 蕁麻疹…

“Ben-Joe”の撮影現場でも

キャストやスタッフを前に

何度も目の当たりにしている


かくいう私も

大事な撮影を間近いに控えて

ギックリ腰になった


それらはきっと

精神が限界に達した自分自身に対して

身体がストップをかけていたのだと思う


当然

そんなときは

追い詰められた状況から離れ

休むことが賢明だ


誰だって休息を提案するはず

医者だって

家族だって

親友だって

恋人だって


でも私の考えは違う


そんなときも

いやそんなときこそ

いつもと変わらない

100%のパフォーマンスを

必死でやるべきだと思う


通常で考えたら体調不良から

たとえば60%のパフォーマンスしかできない状態だとしても

100%に近づけろと


たとえストップをかけても

通常通りパフォーマンスをすることを

身体に教え込ませるべきだと思うからだ

まだまだ限界じゃないんだよと


そうすることで

身体に“あれ? 間違いだったのか…”と思わせ

限界を伸ばすことができるのではないかと思うからだ


最近 腰痛の8割~9割は

精神的な問題だと言われて

カウンセリングで腰痛を治す試みが効果を上げている

これも同じことではないか


もっと言ってしまえば

体調不良だけではない

怪我や事故でさえ

同じではないかと思っている

限界に達したから休むべきだと

訴えているのではないかと


人間は本能的に“変化”を嫌う

身体は“変化”が起きそうであれば

必死で止めるはずだ


だから決して

休むことがいけないことではない


ただ成長(=変化)を求めるならば

身体とも闘わなければならない

限界こそ成長のチャンスなのだから


先日終わったオリンピック

おそらく万全の体調や身体で闘った選手など

ひとりもいないだろう

彼らはきっと

身体の訴えと闘い

それを乗り越え

新たな世界を見たのではないかと思う


監督 岩松あきら



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