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思い出が教えてくれたもの

私は20歳からの3年間

三河映画に関わって

本当にたくさんのことを学びました


その中の一つについて

書きたいと思います

それは「良いものをつくる」ということです


三河映画のメンバーは

このシンプルなことのために

寝る間を惜しんで脚本を推敲し

衣装小道具の洗い出しをし

ロケハンをし

カメラテストをし

特殊メイクのサンプルを作り

絵コンテを切り

必死になって映画をつくっていました


ただ当時の私は

あまりにも未熟で

心のどこかに甘えがあって

「このぐらいでいいだろう」と

自分の中に限界をつくって満足していたのです

その甘えのせいで

メンバーにたくさん迷惑をかけました


俳優を目指すようになった今

なぜかあの頃の三河映画のメンバーの姿をよく思い出します


そしてようやく

彼らの必死さの意味がやっと分かってきたのです


自分が心に限界をつくっているうちは

“良いもの”なんて絶対に出来ない

自分に出せる限りを尽くして

それ以上に良いものを追い求めることが

“良いものをつくる”

ということなんだと分かったのです


ただ頑張ればいいという事ではなくて

目の前の出来ることをコツコツと積み重ね

さらに“もっと良いものにするために何が必要か?”

と考え続ける 向き合い続ける

そうした過程を経て

良いものは出来上がっていくんだと


思い出になってからも

三河映画のメンバーは

私に大切なことを教えてくれました


そして監督は今もなお

“Ben-Joe”の完成に向けて

ひたすらそれを続けている

パソコンに向き合いながら


私も三河映画で

映画づくりをした人間として

“良いものをつくること”ができる俳優になりたい

そう強く思っています


助監督

高橋ゆな


※写真は、東京で演技レッスンを受けている高橋さん。



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